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【コラム】TPP日米事前協議の合意内容

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【コラム】TPP日米事前協議の合意内容
「日米間の協議結果の確認に関する佐々江駐米大使発書簡」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/pdfs/kyogi_2013_04_01.pdf
『両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置iの分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。これらの非関税措置に関する交渉は,日本がTPP交渉に参加した時点で開始されます。両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認するとともに,これらの非関税措置について達成される成果が,具体的かつ意味のあるものとなること,また,これらの成果が,法的拘束力を有する協定,書簡の交換,新たな又は改正された法令その他相互に合意する手段を通じて,両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。 』
率直に言って「やられた!」と思いました。これは想定して無かったです。
自動車安全基準、著作権、食の安全基準などはTPPの本交渉に持ち込まれると予想していたのですが、なんとTPPと平行して日米が1対1で交渉を行っていくことになってしまいました。
さらに、交渉内容は『保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置iの分野における複数の鍵となる非関税措置』です。もうお分かりですよね、日米構造協議がまた始まるわけです。
日米構造協議は期限が定められていなかったため、日本ものらりくらりとかわし続けていましたが、今回は『両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認する 』と期限が明確に定められています。逃げる事は出来ません。
『米国は,自動車分野の貿易に関して長期にわたる懸念を継続して表明してきました。それらの懸念及びそれらの懸念にどのように取り組むことができるかについて議論を行った後,両国政府は,TPP交渉と並行して自動車貿易に関する交渉を行うことを決定しました。交渉は,添付されているTORに従い,日本がTPP交渉に参加した時点で開始されます。さらに,2013年2月22日の「日米の共同声明」に基づき,両国政府は,TPPの市場アクセス交渉を行う中で,自動車に係る米国の関税がTPP交渉における最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され,かつ,最大限に後ろ倒しされること,及び,この扱いは米韓FTAにおいて自動車に係る米国の関税について規定されている扱いを実質的に上回るものとなることを確認します。 』
自動車に関しては更に個別の交渉枠組み『自動車貿易TOR』を定め、交渉していくそうです。アメリカの本気度が伺えます。
自動車については別途解説したいと思いますが、関税については『乗用車2.5%は5年間、商用車25%は10年間維持』となりました。
自動車貿易TOR
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/pdfs/kyogi_2013_04_05.pdf
『日本と米国は,日本には一定の農産品,米国には一定の工業製品というように,両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ,TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において共に緊密に取り組んでいくことを楽しみにしています。 』
最後に「聖域」についてですが、これは予想通りTPP本交渉の中で議論されるようです。
米国は自動車関税を事前協議で守ったのに対し、日本の農産品関税は「おあずけ」ということです。
TPPと平行して構造改革の枠組みがつくられてしまいました。
当然これに呼応して構造改革派が勢い付いて来ます。
日本の国益を守るのは想像以上にハードな物になりそうです。
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テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済
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